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メキシコ:「さらば愛しい日産ツル」 3世紀に渡る生産に終止符

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「日産ツルに乗ったことありますか?」とメキシコ市内で聞いてみると30代以上の人はこう答える人が多い:

「その自動車で運転を覚えた!」
「タクシーだったら何百回も乗ったことがある」
「私の最初の車だった」

この、1984年からメキシコで売られ、30年に渡って300万台も売れたメキシコの誰でもが知っている「メキシコらしい」日本車が今年5月末で生産と販売を止めた。

日産ツルはこの30年で5回のモデル最新を遂げたが(1994年、1987年、1991年と2017年のアップグレードモデル)「中流階級用のコストパフォーマンス車」の看板を変えずにいたのが300万台の成功の秘訣だと言えるだろう。日産ツルは元々メキシコのモレロス州とアグアスカリエンテス州で生産され、米国、ラテンアメリカ、中東の30カ国以上に輸出されていた。

日産ツルにはフォルクスワーゲンの永遠のライバル、フォルクスワーゲンセダン(メキシコではヴォチョとして知られる)は戦いに破れ、2003年にメキシコ市場から撤退した。「ツルはヴォチョよりも運転しやすいし、広いし、心地いいから勝ったんだよ」と日本鶴VS対欧州ビートルの車市場勝負について車修理士のマリオ・バルデスが語る。

「車のサイズも燃費もメキシコシティーに良く適している車だったからとても好きなモデルだった」とバルデス氏は語る。彼は2001年モデルを3年ほど所有してから売ったそうな。

なぜ生産中止に至ったのか

こんなにも愛されている車がなぜ生産中止になったのか。それは去年に行われたLatin NCAP (南米で行われる衝突安全試験)で急遽テストを中止したことで5スター中0スターをもらったことにも関係する。Latin NCAPの調査によると2007─12年にかけメキシコで発生したツルに絡む事故の死者は4000人強に上り、安全性を疑問視する声が強まっていた。

専門家の意見によるとABSブレーキや衝突エアバッグを搭載すれば簡単にLatin NCAPのテストは合格できたのではないかと言われていますが日産自動車を問い合わせてみたら「一つのサイクルの終わりです」という回答が帰ってきた。

「ツルは弊社のメキシコでのアイデンティティを築き上げてくれた柱でもありました」と日産メキシコ支社長のマイラ・ゴンザレスが発表した。

日産はツルにオマージュする形で今年1000台の限定モデル、日産ブエン・カミノを製造販売した。ブエン・カミノはスペイン語で「良い道のり」を意味するがまさしくこの車に合った名前だ。値段はUSD8,600〜USD9,350まで上る。限定ロゴがついており、今までになかったUSB、BlueTooth, CDとMP3プレーヤーを搭載している。

モーターの音や内装、特にカップホルダーは80年代のものと変わらず、それを聞いたメキシコ人は懐かしい時代へと戻される。一つのサイクルが終わりました。

「アディオス日産ツル!そして良い道を歩んでくれてありがとう」

引用元: México dice adiós al Tsuru | Economía | EL PAÍS

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