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メキシコ:瓦礫の下に存在しなかった不明少女「フリダ」捜索で蘇る、32年前のメキシコ地震行方不明少年「モンチト」の記憶

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1985年のメキシコ地震、瓦礫の下に生き埋めになった9才の少年「モンチト」の存在が、当時の地震の悲劇を表しました。しかし、未だその少年は行方不明となっており、今回の想定されていた行方不明少女”フリダ”の捜索が、市民の中で32年前の状況を思い出させました。

1985年、マグニチュード8.1の地震によって壊滅的状態となったメキシコの中心部は、今週の19日火曜日、マグニチュード7.1の地震によって再び崩壊しています。多くの建物が倒壊し、人力によって生き埋めになっている人々の捜索が続いています。

地震発生から2日後の木曜日、倒壊した学校の建物に閉じ込められている少女の存在が世間を騒がせ、今回の地震の象徴的存在として扱われました。そして、その少女の存在は架空のものであって実在しないことが明確になりました。

その少女の噂が、32年前の行方不明少年「モンチト」の記憶を思い出させました。 この少年は、「お化けの少年」と呼ばれており、本名はルイス・ラモン・ナバレテ、年は9才でした。1万人以上の犠牲者を出した地震の前の夜、少年は家族と共にラ・メルセ地区の祖父の家に泊まりました。その家は地震によって崩れ落ち、町全体で約2000棟が倒壊しました。

モンチトと祖父が崩れ落ちた家の下敷きになっているという説が流れ、数日間に渡って捜索が行われましたが、姿は発見されず、メキシコの海軍は瓦礫の下に生存者はいないと発表したのです。

しかし、米国の捜索隊がセメントの瓦礫の中から音を確認したことで世間の注目を集めました。多くの人々が生存している事に希望を持ち、多くの捜索隊が捜索活動を行いました。

同年10月7日、モンチトの父親が「エル・パイス」新聞の取材に応じています。そこには、こう書かれています。

「捜索隊は、瓦礫の中の想定される生存者に向かって、話せないのならば音で反応してくださいと話しかけた。すると、音が聞こえた。大人ならば音を1回、子供ならば音を2回鳴らしてくださいというと、音は2回聞こえた。それによって、現場は動揺し、モンチトが答えていると誰もが信じた。預言者、歌手、当時の米国大使も捜索活動に賛同し、当時のメキシコ大統領がモンチトの捜索続行を命じた。モンチトの両親は、息子を生きた状態で又は死んだ状態で救出して欲しいと望んだ。」

しかし、3週間に及ぶ捜索活動は残念な結果で終わりを迎えます。モンチトの姿は、生きた状態でも、遺体でも確認されず、この出来事は、深い悲しみを世間に残し、大災害の深い傷となりました。捜索隊が引き上げた後も、ラ・メルセ地区の住民はスコップを手に少年の姿を探し続けました。

この出来事に関しては、その後様々な憶測が流れています。少年の遺体は瓦礫に埋もれたままになったと信じる人々や、少年が実在せず、震災の「集団ヒステリー」状態に振り回されたとする人々、悲劇的な内容を求めるメディアが作り上げた話しだとする噂など、真実は今も分かっていません。中には、少年の家族が倒壊した家から金庫を持ち出すために作り話を行ったという証言もあります。

今回の不明少女「フリダ」の件も、政府によって事実無根であることが証明されるまでの48時間、メキシコ社会を不安に晒しました。32年前の不明少年の事件と同じようなことが繰り返された事になります。

 

 

情報源: “Monchito”, el niño fantasma del terremoto de 1985 en México que el caso de “Frida” hizo recordar | Emol.com

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